コロナ禍を機に、健康について・身体について、たくさんの情報に触れた。
すると何がわかっていくかと言えば、自然がいかにすごいパワーを持っているかということだった。
持ちつ持たれつ、すべてがただの一つも欠けることなく共生している。それが自然界。
その凄さを、私はきっとまだ指の先ほども知らない。もっと知りたいと思った。
身のまわりにある植物は、その環境に必要だからそこにある
「身のまわりにある植物は、その環境に必要だからそこにある」。
この情報を耳にしたとき、ハッとした。
「パンの酵母は地域の環境に影響を受けるらしい」と本を読んだ友達が教えてくれたこと。鉱物が身体にいい影響をもたらすと発見した人の講演で、水晶の原子核のまわりを回っている電子は、理科の教科書なんかで見るよりずっと広範囲に影響があると言っていたこと。そんな話が頭に蘇ってきた。
人間の目には見えないけれど、酵母でも、鉱物やそこらへんに落ちている石でも、環境から影響を受け、環境に影響を及ぼしているのかもしれない。だとしたら、きっと植物だってそうだ。ただそこにあるんじゃない。必然としてあるのかもしれない。
「竹害」
母方の実家は大分にある。
何十年も前から家のまわりや山に竹が迫ってくることに頭を悩ませてきた。
竹の勢いはすごい。
日々手入れしていないと山や畑をどんどん侵食して数年で竹林にしてしまう。また、竹の根は横に伸びてスクラムを組むので、取り除くのが難しく、根が浅いので、土をしっかり抱える力がない。山が竹に侵食されると本来の保水力がなくなり、大雨が降ると崩れやすく、川下では水害が出やすくなってしまう。
最近はテレビでも竹による山の侵食を「竹害(ちくがい)」として報じている。
竹は本当に「害」なのか
でも「身のまわりにある植物は、その環境に必要だからそこにある」のだとしたら、竹は本当に「害」なのか。
そう考えて、ネットや本で調べてみると、驚くべきことがわかった。竹を砕いた竹チップや竹粉には土を浄化する効果がある。さらに、竹を焼いてできた竹炭(ちくたん)は、土や水を浄化し、ミネラル分を多量に供給できることもわかった。
木炭にも竹炭と同じような浄化作用がある。だけど、竹炭は木炭よりも多く微細な穴が空いていて表面積が大きいので、より多くの微生物が棲みつき、より多くの土や水の不純物を分解できるそうだ。
竹炭を作るときに竹から出る液、竹酢液(ちくさくえき)も防虫・殺菌効果があり、畑のまわりに撒くと作物に虫が付きにくくなるらしい。木村秋則さんやナチュラルハーモニーの創業者の方は、野菜に病気があったり弱いところがあると虫が寄ってきて食べるのだと本に書いていた。竹酢液にも土を浄化して作物を元気にする効果があるのだろう。
竹の役割を知り、竹を活用する人たち
竹があれば、大地を、水を浄化できるかもしれない。
そのために各地で竹が迫ってきているのだとしたら、本当にすごい事だ。
竹を活用している人たちは、調べてみると全国各地にたくさんいた。
私が知っているだけでも、宮城県、千葉県、山口県、熊本県、宮崎県など。
また、母方の実家の近所、大分県竹田市でも竹炭を作っている人がいることがわかった。
この竹酢液を作っている方は、お米も自然農法で作っているみたいだった。そのお米を紹介しているブログ記事はなんと2012年に書かれたもの。
ずっと以前から、竹が土や水を良くすることを知っている人たちがいたんだ。
こんなにたくさんいたんだ。
自然界には無駄なことはただのひとつもない。
すべてにおいて調和がとれた世界だと言う人がいる。
確かにそうなのかもしれない。
その片鱗を見ているのかもしれない。
私ももっと自然を知りたい。