高校時代の通学路

今日の荒川土手は風が強かった。
川上から吹きつける風。

高校時代の帰り道に吹いていたら間違いなくうらめしく思った風だ。
今日も高校生が何人か、自転車で川上のほうへ帰っていくのを見かけた。

漕いでも漕いでも進まないんだよね。
たまに「あーもう漕ぐのやめよっかなー」と思う。
「押して歩いたほうが楽じゃない?」と思う。
でも押さない。漕いだほうが進む。よく知ってる。

向かい風のときは行きも帰りも
果てしなく感じた。

髪はボサボサ。
「もうどうでもいい…」
イライラを通り越して漕いだ。

でも、そんな3年間の通学もあっという間に終わってしまった。


助走をつけて、立ち漕ぎでのぼった坂。
坂の手前でたまに会う、中学時代の同級生。

追い風が吹く土手道は最高だった。
ちょっと漕げばぐんぐん進んだ。

台風のときは傘を真横に差して橋を渡った。
大雨のときは通学バッグに袋を被せてかごに入れた。

学校に着く頃、
夏は大汗。冬は耳が痛かった。

春夏秋冬、荒川の風で季節を感じた。

よく3年間も自転車で通ったと思う。
いろいろあった。楽しかった。

思い返せば、まぶしい
あのとき。

土手からの帰り道
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