「天然」ってなんだよ、と思った話

「天然って言われない?」
「あ、言われます」

天然天然と、以前はよく言われた。
初対面の人と話していて、しばらくすると笑いながら言われたりもした。(私の何を知っているのだろう)

「天然」と言われて、別にそこまで嫌な気にはならなかった。確かに私はちょっと抜けてるところがあるし、長子ということもあって(?)ツッコむべきところでフツーの反応をしてしまったりする。「みんなから見ると天然なんだろうな」と自分でもずっと思っていたからだ。

だが最近、ふと思った。

「天然」ってなんだよ?

どういう意味だよ「天然」って?
抜けてて、浮いてて、
ふわふわ〜ゆるゆる〜〜みたいな?
「世知辛さを知らないな?」みたいな?

ていうか、誰目線で「天然」なんだよ?
「天然って言われない?」と人に対して言っているということは、自分は「天然」じゃないと自負しているらしい。誰かに「あなたは天然じゃないね」と言われでもしたのだろうか。

いや、おかしいよね、
なんだよ「天然」って。

みんなと同じような反応しないと変なの?浮いてるの?
ちょっと抜けてるところがあるとみんなと違うの?

みんなと違うと!なんか?
みんなで共有してる価値観?かなんかでつくった代名詞で?

呼ばれちゃうわけかな!??

私を「天然」と呼ぶ人たちから離れて久しくなった今、「…誰が天然じゃコラァ!お前が『俗っぽい』の間違いじゃねぇのかコノヤロー!」と思うに至った。強くなったな。フフ。


いろんな人を見ていて思う。

誰かを上に見たり下に見たりする人が、私が思っているよりとても多いのだということ。

はじめて会った人を瞬時に「自分より上か下か」判断したがる。そして「自分より上」だとヨイショして、「自分より下」だとないがしろにする。私のことを「天然」と呼んでいた人たちも、もしかしたらそうだったのかもしれない。

でも今になって感じるのは、そんな人たちが誰かを「自分より上」だとヨイショしていても、心からの尊敬の気持ちはないということだ。誰のことも本気では尊敬していない。尊重も、していない。

自分のことさえも。


ザワザワした時代。
「みんなと同じ」であれば良しとされる時代。

「天然」でもいい。
ただ、どんな時代でも澄んだ目で物事を見ている人でいたい。

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